デザイン部会の北田です。
BIM元年と言われる2009年から早13年。干支も一回りしてしまいましたね。
以前から2DCADがやがてBIMに取って代わられるだろうということは言われていて、その利点なども様々紹介されています。
ここではそこから一歩踏み込んで、「BIMが必要なことは分かった。当社でもBIMを導入したい。じゃあ、何をすればいいんだ?」という事業者の方へ向けて、簡単に検討項目についてご説明します。
0.BIM導入のその前に!
導入にはBIMソフトや高性能PCなど、少なくない費用がかかります。どうせ費用が掛かるなら、少しでも安く済むように必ず補助金の確認をしましょう!
特に平成28年度から始まったIT導入補助金は、国が中小企業向けにITツールを導入する経費の一部を補助することを目的としている補助金で、令和4年度も継続されます。
参考→IT導入補助金2022
2022年の詳細が出ています。
このIT導入補助金では、ハードのPCは補助金の対象になりませんが、BIMソフトの購入代、保守費用、BIM講習代、導入コンサル料なども対象になっています。
自社でIT導入補助金の申請をするのは大変、という方は、導入コンサル料についても補助金対象になっているので、コンサルの方に頼むのが良いと思います。
参考 ArchiCAD導入コンサルを請け負っている会社→ABKSS
1.どのソフトを使うか
さて、ここからが本題です。BIMの導入のためまず考えるべきことは、どのソフトを導入するかということです。
BIMと一言に言っても様々なソフトがあり、得意なことがそれぞれ異なります。ここでは設計、ゼネコン向けの主要なソフトを見てみましょう。
ソフトの特徴
ソフト | 開発元 | 特徴 |
Autodesk アメリカ | 建築だけでなく土木分野でも使われる 設計、施工、管理まで幅広く対応 | |
GRAPHISOFT ハンガリー | 3次元オブジェクトが充実 Rhinoceros連携なども得意 直感的に操作しやすい | |
福井コンピュータ―アーキテクト㈱ 日本 | 日本の建築基準法に強い 日本の建築基準法に合わせた設計ができる | |
Vectorworks,Inc アメリカ | 導入コストが安価 対応する中間ファイルが豊富 |
シェアで見てみると設計・施工どちらにおいてもRevitとArchiCADが全体の半分ほどを占めている状態で、特にこだわりが無ければ、このどちらかをお勧めします。
GLOOBEは唯一国産のBIMソフトなので、設計やコンサル等で建築基準法の確認作業などが多いほど強みを発揮しやすいソフトです。
会社の業務内容によってソフトをご検討ください。
2.ハードの準備
導入したいソフトが決まったら、それに対応できるハードを準備しましょう。
PCスペックはそれぞれのソフトごとに推奨スペックがあるので、それ以上のものを用意する必要があります。
ちなみに私が使用しているPCは、HP ZBook 15v G5(ArchiCAD24Solo)です。平屋の建物や倉庫などが多いのでこのくらいのスペックで問題ありません。マンションや複合施設など、建物の規模が大きくなればなるほど画面がサクサク動かず操作性が悪くなるので、スペックについては普段どのくらいの規模の建物が多いかで検討すると良いと思います。
| ArchiCAD推奨動作環境 | | HP ZBook 15v G5 |
プロジェクト 規模 | 小・中規模 例:住宅、一般的な集合住宅、事務所ビル | 大規模 例:超高層、総合病院などの大規または複雑なプロジェクト | 小規模で使用 |
CPU | Intel Core i7 AMD Ryzen 7 | Intel Core i9 AMD Ryzen 9 | インテル® Core™ i7-8750Hプロセッサー(2.2GHz-4.10GHz、コア数6/スレッド12、キャッシュ9MB) |
メモリ | 16 GB以上のRAM | 32 GB以上のRAM | 16GB(16GB*1) 2666MHz DDR4メモリ |
ハードディスク | NVMe SSD | NVMe SSD | 1TB 7200RPM SATA HDD |
グラフィックス カード | 4 GB以上のVRAM OpenGL4.5互換のグラフィックスカード | 6 GB以上のVRAM OpenGL4.5互換のグラフィックスカード | インテル(R)UHDグラフィックス 及びNVIDIA Quadoro P600 (4GB GDDR5) |
ディスプレイ 解像度 | 2K (2560×1600) | 5K (5120 × 2880) | 最大解像度1920*1080 (15.6インチワイド)フルHD |
オペレーティング システム | Windows 10 64-bit macOS 11.3 | Windows 10 64-bit macOS 11.3 | Win10Pro(64bit) |
※ArchiCAD推奨動作環境はGRAPHISOFTのHPより抜粋 →GRAPHISOFT動作環境
3.いざ、使ってみよう!
ソフトとハードが準備できたら早速使ってみましょう!
……とはいえ、全く操作したことのない人ばかりだと何から手をつけていいか分かりませんね。
次回は初心者向けの講習、おすすめ参考書、操作ノウハウのリンク集などをお届けしたいと思います。
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