【LiDARってなに?】
LiDARスキャナってご存じですか?
iPhone12Pro ProMAX、2020年以降のipadProに搭載された技術です。
LiDARは「light detection and ranging」から頭文字を抜いた言葉で、
センサーより発したレーザー光が対象物に当たって跳ね返ってくるまでの時間差を
計測します。
LiDAR自体はappleの技術ではなく、
一般的な技術でこの技術は自動運転やロボット掃除機等にも使われている機能です。
【設計で何が便利に??】
簡単に3Dデータがスキャンできる!
現場写真を見ていて
ここの寸法どのくらいだったんだろう、、、
後ろ側には何があったんだろう、、、
この部屋の設備の位置はどうだったかな、、、
という、様々な悩みが解決します。
データ上で計測ができたり
グリグリと3Dデータを動かして多角的に見る事が可能になります。
BIMソフトへの取込みも可能になります。
私は既存図復旧の際に3Dスキャンデータを確認しながら作図したり
改修工事の際に行政やクライアントとの打合せに3Dスキャンデータを使用しています。
空間で捉える事ができるので、写真には無い情報量で確認する事ができます。
〈3Dスキャン参考例 : 小学校理科室〉
使用アプリ:Scaniverse
【使い方や導入は難しい??】
1,手のひらサイズの機器でできてしまう!
iPhoneであれば手のひらサイズで3Dスキャンが可能です。
動画を撮る様にスキャンするので、
スキャンの時間も非常に短時間で簡単に済みます。
既にiPhoneProを持っている方なら、
今すぐできてしまう手軽さです。
2,導入コストが比較的安価!
2022年12月現在iPhone14Proは149,800円からで購入可能です。
スキャンするにはアプリも使用しますが、
無料のものもあれば有料のものもあります。
高性能3Dスキャン機器だと50万円以上は必要となりますが、
iPhoneであれば
電話でもありカメラでもありメモ帳であり何でもできる万能機器と考えると
ちょっと高価なスマホの費用もコスパ良いと感じるかと思います。
【デメリットはないの??】
手軽にできる分、高性能3Dスキャン程の精度は現状ありません。
それでも、撮影環境にもよりますが誤差3cmくらいかなという印象で使用しています。
また、iPhoneのLiDARの範囲は5mとなるので外壁全体をスキャンという事はできません。
高性能3Dスキャンはメリットは精度にありますが、
3Dスキャン撮影→データ編集→完成までのプロセスが納得のいく質に至るまで
時間や教育コストが必要となり、
機材購入以外の部分でも中小規模の設計事務所にはなかなか難しいと思います。
私自身も、高性能3Dスキャンは非常に魅了的ですが
高性能3Dスキャンが必要な場合は専門の会社へ依頼し
日常的には簡易なLiDARスキャナを用いるのがバランスが良いと考えています。
【これからのLiDAR】
様々な会社でLiDARを活用したアプリ等が開発され、
精度を上げるための+αがあったりもします。
まだまだ成長する分野だと思っているので、
LiDARやフォトグラメトリといった個人レベルでも可能な
3Dデータの作成方法とBIMの繋がりは深くなっていくと思います。
デザイン部会 寺田
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